2024年9月に行ったモルディブ研修を通し、社員YAの目線で感じた『ラッフルズ・モルディブ』の魅力について、書き綴りました。
リゾートの詳細(お部屋・レストラン・その他の施設など)につきましては、「続・モルディブオタクの独り言」Blogにて随時ご案内してまいりますので、楽しみにお待ちください。
プロフェッショナルな、ラッフルズ流おもてなし
私たちは「NHコレクション・モルディブ・ハヴォダ・リゾート」の視察を終え、直接スピードボートで「ラッフルズ」に移動したので、約10分程でリゾートに到着しました。通常は、マーレからカーデッドゥ空港まで国内線で約1時間、その後スピードボートで約15分移動して到着となります。
ラッフルズのボートに乗り込むとスタッフの方から “Raffles” のロゴ入りボトルが手渡されました。
円柱状の特徴的なアライバルラウンジがあるメインジェティは、ラッフルズの象徴。ジェティの先端には、ラッフルズスタッフの方々の笑顔とボドゥベル音楽が出迎えてくれ、NHコレクション・ハヴォダを後にした寂しさをかき消すかのように、一気に気分を盛り上げてくれます。そして、この一連の流れを見て懐かしいと感じたのは、私にとってこの島への訪問が2度目だったからです。
1度目はまだラッフルズになる前に、プライベートで訪れた「ジュメイラ・デヴァナフシ」時代でした。私好みのハウスリーフの良い小さな島というだけでなく、マーレから遠く離れた環礁の海を体験したい、水上ヴィラ群がメイン島から独立して建っている姿を見てみたいという思いから、ジュメイラ・デヴァナフシを訪れましたが、その後ラッフルズにリブランドしてからも、基礎となる建物の造りは変わっていないので、当時の記憶が思い起こされ、またこの島に戻って来られたんだという懐かしさでしばらく胸が熱くなりました。
今回、私が自分に課していたミッションは、「ジュメイラ・デヴァナフシからラッフルズになり、どう変化したかを見極めること」。
24時間もない短い滞在時間ではありましたが、見られるものは全て見ようと意気込みながら、島に上陸しました。
円柱状のアライバルラウンジで手渡された冷たいおしぼりと、”Raffles” のロゴ入りココナッツウォーター。各リゾートによってそれぞれ出迎え方は異なりますが、ラッフルズでは手渡されるもの全てにロゴが入っており、そういうちょっとした手の込み具合に、ラグジュアリーリゾートならではのきめ細やかさを感じました。
ラウンジで少し休憩した後は、すぐにバギーに乗り込み、歩いて10分程の小さな島をゆっくり1周しながら島内の説明を聞きます。そして、私たちの部屋(プール付きビーチヴィラ)の前にバギーが止まると、入り口に描かれたエレガントなサンドアート ”Welcome” の文字が目に入り、部屋へと案内されました。この一連の流れがとてもスムーズで、まるで清流の流れに乗っているかのような案内に、「さすがラッフルズ」と感じさせてくれる一時でした。
部屋の間取りや使い方について説明を聞き、そこでバトラーの案内は終わらず、次に待っていたのは「モルディビアン・スリング」という名のカクテルをバトラーが振る舞ってくれるサービス。ジュメイラ・デヴァナフシ時代もバトラーの行き届いたサービスには終始心地良さを感じましたが、このようなカクテルデモンストレーションはラッフルズならではのもの。シンガポールのラッフルズホテルで誕生したカクテル ”シンガポール・スリング” のモルディブバージョンがいただけるとは想像もしておらず、思わぬサプライズに皆で歓声を上げたほどです。
ラッフルズ流おもてなしはこれだけにとどまらず、この日の夕食後、部屋に戻ってみるとテーブルにはチョコレートなどの小さなお菓子とハーブティーがセットされていました。もう翌朝にはリゾートを出発しなくてはいけないので、すべてを食べることなんて到底できませんでしたが、この美しいディスプレイと、すぐにティーを飲める状態にしてくれていたセッティングに、ラッフルズのプロフェッショナルさを感じました。
モルディブには、様々なラグジュアリーリゾートがあり、ゲストとバトラーとの距離が非常に近く、絶えずゲストの要望を聞きそれに答えようとしてくれるサービスの形もあります。今回の滞在は非常に短かったので、私の感じ方が絶対ではありませんが、ラッフルズはそういうタイプのリゾートというよりは、どんなゲストでも「さすがラッフルズ」と思わせてくれるプロに徹したサービスを絶えず提供してくれる印象の方が強く、エレガントなリゾートライフに没入させてくれるリゾートに感じました。
極上気分が味わえるビーチヴィラ
今回私たちが滞在したお部屋はエントリーレベル(1番安い部屋タイプ)のプール付きビーチヴィラです。とは言え、部屋の広さは220㎡もあり、メインルームにはベッドだけでなく、ゆったりと寛げるソファセットとデスクがあるリビングスペースも備わっています。ジュメイラ・デヴァナフシの時はダークブラウンを基調とした重厚感のあるお部屋でしたが、ラッフルズになってからは、天井や扉の色にライトブルーを取り入れ、コロニアル調が増した明るく優しい雰囲気のお部屋に変わりました。
メインルームの横には扉を挟んで、ソファとミニバー(写真手前にある木造りのキャビネット)が置かれた小部屋があり、例えば同行者がまだ眠っていて自分は少し早起きをした時に、同行者を起こさないようにこの部屋で読書をしたり仕事をするなどして利用できるスペースになっています。今回私はKH先輩との同室利用で、どのリゾートもベッドルームにあるソファをベッドメイクして2つ目のベッドを用意してくれていたのですが、ラッフルズではこの部屋をもう一つのベッドルームとして用意してくれたので、非常にプライバシーが保たれた空間を満喫することができました。その為、キングベッド以外にもう1台ベッドが必要な「友人旅」や「3名以上のファミリー」のお客様にも、快適にお過ごしいただけるお部屋です。
その小部屋の隣りに、メインルームと同じくらいの広さのバスルームがあります。真ん中にダブルシンクの洗面台があり、奥にある2つの青い扉の先には、屋内シャワールームとトイレがあります。洗面台の下には棚が設けられているので、洗面用具などのポーチを置くことができ、洗面台に色々な物を広げることなく使うことができます。また、座ってお化粧や髪を整えられるドレッサーがあり、大きな姿見もあるので、広いスペースでゆったりと仕度ができ、お洒落好きな方にはとても使い勝手の良いバスルームです。
洗面スペースの奥には正方形の広いバスタブがあり、横の引き戸から外に出ると屋外シャワーがあり、小道伝いに外のプールやビーチへも出られるので、海で泳いだ後、部屋を通らずに直接バスルームへ行ける導線になっています。
屋内シャワーやトイレとは反対側のスペースには、服が十分に収納できるウォークインクローゼットとキャビネットがあり、コの字型の棚では2つ分のスーツケースを優に広げることができます。1~2泊のリゾート移動が続く私たちにとっては、ほとんどの衣類はクローゼットに掛けることなくスーツケースから直接出し入れしていたので、いつもどちらかのスーツケースを床に広げなくてはいけなかったのですが、ラッフルズでは2つとも棚の上で作業ができたので、とても便利でした。
外に出ると、ヴィラの側面部分に長方形の広いプールとデッキチェア、木陰に小さなカゼボがあり、ビーチ側にはテーブルセットとデイベッドがあるので、十分すぎる程の寛ぎスペースがあります。
そして、ヴィラを背にビーチの方を向くと、木々のトンネルの先にプライベートビーチと青い海を臨むことができます。
ラッフルズのみならずラグジュアリーリゾートのお部屋は、どこもインテリアやレイアウトに個性があり、それぞれの良さや魅力があるので、なかなか甲乙つけ難いのですが、今回ラッフルズに滞在して私が一番印象に残ったのは、バスルームとクローゼットの優雅さでした。ゆったりとした空間と穏やかな色味の間接照明で心が落ち着き、床や洗面台・バスタブの全てが大理石なので高級感もあり清潔で足触りも良い。床に敷かれたマットはふかふかで大理石との相性も良く、クローゼットも十分な広さで使い勝手も良いので、バスルーム自体がエレガントな部屋の一つに感じ、朝や夜の支度をする時間でさえも滞在を豊かにしてくれる時間に感じました。
~ お部屋にあった素敵な小物たち ~
追記として、お部屋で見つけたラッフルズらしい素敵な小物を少しご紹介。
ミニバーの横の棚に置かれていた木造りのボックスの中に、ナッツ類やお菓子類が入っていました。ガラスの小瓶に入っているナッツ類は他のリゾートでもよく見かけますが、ポテトトップスやクッキーはRafflesのロゴが入った白い缶に入っています。なんてお洒落!
クローゼットに置かれていたアメニティー類を集めてみました。ビーチサンダルは日本の草履のような素材でリボンが掛けられた袋に入っており、その横の透明なビニール製の袋はスマホケース。珊瑚と魚の絵が描かれたコットン生地の袋は、ドライヤー入れ、ランジェリー入れ、シューズ入れ、そして小物が入れられるポーチで、どれをとっても心くすぐられる可愛らしさです。
そして、洗面台に並べられたティッシュ入れ、ハンドタオル置き、花瓶、ソープボトルのどれもがエレガントで、ラッフルズのハウスウォーターの横に置かれたガラスのグラスもその下のコースターも気品に溢れていました。
目にも美しく繊細な美味しさも味わえる食事
ラッフルズには、ビーチヴィラのみのメイン島に2つのレストラン(Thari、The Firepit)、メイン島から完全に独立した海の真ん中に建つ水上島に1つのレストラン(Yuzu)があります。私たちは、メインレストランである「Thari」で昼食と朝食、水上島の「Yuzu」で夕食をいただきました。
まずは、ジュメイラ・デヴァナフシ時代と、現在のラッフルズの「Thari」レストランの違いを載せてみました。
《ジュメイラ・デヴァナフシ》
《ラッフルズ・モルディブ》
皆様はどちらが好みですか?
私は、どちらも気に入っていて、『ジュメイラ・デヴァナフシ』の時はダークブラウンの木材と格子状の木枠が、緑豊かな島に重厚感のある気品を生み出しているように感じ、現在の『ラッフルズ』は、青と白を基調にし、床にエキゾチックなタイル模様を取り入れることで、さわやかさと異国情緒の両方が感じられるエレガントさを感じます。
「Thari」レストラン前には、昔も今も変わらない形よく伸びるヤシの木が何本も茂っていて、NHコレクション・ハヴォダと同様に、水平線上には近代的な建物が目立つローカル島や建設中のリゾート島は一切なく、絵葉書のようなモルディブの景色が広がっています。
「Thari」レストランの昼食でいただいたのは、” シェフの気まぐれサラダ ” と ” 数種類の野菜がのったピザ ” で、海外では不足がちになる野菜をできるだけ摂取しようと選んだメニューでした。料理が運ばれてくると、3人共が思わず「わぁ!」と声を上げてしまうほど色彩豊かで盛り付けも美しく、野菜本来の味が感じられる新鮮かつ繊細な味付けに終始笑みがこぼれてしまう美味しさでした。
昼食後の視察でその美味しさの秘密に納得したのですが、小さな島とは思えないほど広大な自家菜園があり、そこで育てられた新鮮な野菜が料理に使用されているそうです。
夕食は、水上島にある「Yuzu」レストランにて、日本料理をいただきました。
前菜・メイン・デザートから1品ずつを選ぶセットメニュースタイルですが、私はこの時それほどお腹が空いていなかったので、前菜から “ホタテとパルメザンチーズのロースト” と “トリュフソースをかけた炙りサーモンの握り” の2品を選びました。日本食は日本で食べるのが一番と思っているので、ラッフルズとは言え、モルディブで食べる日本食にそれほど期待をしていなかったのですが、一口入れた途端「ここは、日本!?」とびっくりするくらい繊細な味付けが忠実に再現されており、HK社長とKH先輩が選んだお料理も想像以上の美味しさで、これなら海外で日本食を敬遠されるお客様にもお勧めできると感じました。
そして、ラッフルズで最後にいただいた「Thari」レストランでの朝食。
ラッフルズの朝食は、Rafflesのポリシーに従い、ビュッフェではなくアラカルトメニューからの注文となります。朝食のオープン時間は7:00からなのですが、私たちのリゾート出発は7:30の為、かなり慌ただしい朝食になることが予想されました。どうしても朝食を皆様にレポートしたいという思いが強く、前日の夜にバトラーに料理を注文しておき、7:00にレストランに行った時にすぐに食べられるよう用意しておいてもらいました。
アラカルト料理は1人=1品に限らず、複数品を注文することも可能です。私たちが選んだのは、”イングリッシュ・ブレックファースト”、”チャイニーズ・ブレックファースト(中華粥と飲茶)”、”ワッフル”、”フルーツプレート” です。どれも美味しかったのですが、印象的だったのは沢山の薬味が並べられた中華粥で、胃が疲れ始めた朝にも食べやすい優しい味付けになっていました。
朝食は、メイン島の「Thari」レストランだけでなく、水上島の「Yuzu」レストランでも提供しており、どのヴィラに滞在しているゲストでも両方のレストランで朝食を食べることができます。また、どちらのレストランも同じメニューではなく、異なるメニューを提供しているので、気分転換も兼ねて、是非両方のレストランで朝食を味わってみて下さい。
珊瑚も復活!ラッフルズ自慢のハウスリーフ
ジュメイラ・デヴァナフシの時代から、ハウスリーフの良さで知られるリゾートではありましたが、2016年のエルニーニョ現象の影響で、ハウスリーフが白化&死滅するという大打撃を受けてしまいました。その時の姿を知っているだけに、現在の珊瑚の様子が非常に気になっていたので、視察中にできる限りハウスリーフでのスノーケリングをしようと皆で話し合っていました。
今回私たちが行ったスノーケリングは、下記の2回です。
《ルート① 実施時間=午後2:00~3:00》
ダイビングセンター前のビーチからエントリー→メイン島と水上島の間のハウスリーフをマリンバイオロジストと共にスノーケリング
《ルート② 実施時間=朝5:45~6:30》
ダイビングセンター前のビーチからエントリー→スパ前~東側のビーチヴィラ前のハウスリーフを私たち3人でスノーケリング
まずは、「ルート①」のハウスリーフについて。
ここは、メイン島と水上島を行き来するスピードボートの通り道に近い為、マリンバイオロジストが一緒でない場合は、特に注意が必要です。珊瑚や魚の接写をしようと素潜りをしていると、リゾートスタッフがゲストがスノーケリングをしていることに気づけず、ボートとゲストが接近してしまう可能性があるからです。
ビーチからエントリーすると、すぐ真下に生き生きとした珊瑚の姿がいくつも見られました。
このルートは比較的深さがあるので、珊瑚との距離も体感で2メートル程あったように思います。上から眺めていると、円形のピキピキ珊瑚だけでなく、枝珊瑚やボール状の丸い珊瑚、コケのような珊瑚など、様々な種類の珊瑚が入り混じって生息していました。
10分程泳ぎ進むと、花を咲かせたような丸い珊瑚が群生していて、その上を魚の群れがゆらゆらと泳いで行きます。
すぐ近くにある『NHコレクション・モルディブ・ハヴォダ・リゾート』ほど多くはありませんが、テーブル珊瑚の姿も見られました。
更に進むともう少し深さが増し、小さなサメがハウスリーフやドロップオフの上を泳いでいたり、ハナタカサゴの群れが私たちの前を横切るように流れていきました。
次に、「ルート②」のハウスリーフについて。
東側のビーチヴィラに滞在している場合は、一番アクセスのしやすいハウスリーフで、ダイビングセンター前のビーチからエントリーし、スパの建物の横にパッセージが造られているので、そこからハウスリーフ&ドロップオフに出られます。この辺りのハウスリーフは比較的浅瀬にあるので、2016年にかなりダメージを受けた場所でもありましたが、多くの珊瑚が復活途中にありとても驚きました。
視察で訪れた9月の日の出時間は6時前後だったので、まだ朝日がしっかり昇っていない状態でのスノーケリング開始です。その為、海の中は少し薄暗いですが、雨季にしては透明度が高く、珊瑚や魚の色もはっきりとわかりました。
早朝に海に入ると寒いのでは?と想像しがちですが、海に入る時は少しヒヤッとするものの、すぐに慣れて生ぬるい海の中を泳いでいるような感じになるので、私たちは出発が迫っているにもかかわらず45分近く泳いでしまいました。とは言え、起きてすぐの早朝スノーケルはまだ眠っている体に負荷がかかる恐れがあるので、体調の良い日に無理することなく行って下さい。
朝は魚たちの動きも遅く、岩の上でじっとしている魚を見かけることもあります。
中くらいの大きさの魚が増えてきたなと感じながら泳いでいると、目の前に花びらを散らしたように小さなスズメダイの群れが現れて、海中世界が一気に華やいで見えました。
この日のスノーケリングで印象的だったのが、海の中で一際美しい青色を放っていたブダイ。青いブダイ=オス、赤いブダイ=メスと聞いたことがあるので、目の前で泳いでいるこのコはオスだと推定します。
この時、ブダイは歯をむき出しにして泳いでいました。彼らがこの歯で死んだ珊瑚に繁茂している藻類をかじり取って食べている姿をよく見かけますが、その嚙み切る力は凄いので、彼らを威嚇することなく、一定の距離を保って眺めることが大切です。暫くすると、2匹で踊りを舞っているかのように戯れ始めました。
前日のマリンバイオロジストの話によると、ラッフルズのハウスリーフには20匹ほどの海ガメが生息しているとのこと。
今回の2回のスノーケリングでは海ガメに遭遇できませんでしたが、数日滞在すればきっと遭遇できるチャンスがあると思いますし、「珊瑚の森」と呼べるほど生き生きとした珊瑚がいくつも復活していたので、魚影と珊瑚の両方が見られる海中世界も満喫いただけると思います。
そして、今回は残念ながら時間がなく、水上ヴィラ周辺のハウスリーフをチェックすることはできませんでしたが、メイン島周辺の珊瑚の復活具合を考えると、水上島周辺のハウスリーフも復活し始めていると推定できますので、水上ヴィラに滞在された際は、是非水上島でもスノーケリングを体験してみて下さい。
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▼ラッフルズ・モルディブの研修レポートでは、リゾートの感想・印象を項目別にまとめておりますので、合わせてご覧下さい。